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2010年05月19日

濡れない女

甲は傘をさすのが嫌いだ。

そもそも傘を持っていない。

誕生日プレゼントにもらった傘をすべてなくしてしまった。

でも傘を持たない理由は他にもあった。

ハリウッドスターたちが土砂降りの中でも傘をささずに
そのままずぶ濡れになって歩く姿に憧れていたからだ。

だからいつも雨が降ると嬉しい。

スーツを着たサラリーマンは普通、

「ちぇっ、雨かよ、まったくついてないな」

と言うが、

甲は喜々として様々な俳優をイメージしてわざと濡れな
がら歩く。

女性は一般に天気予報に敏感で天気が怪しい日には、
必ず鞄に傘を忍ばせている。

しかし乙は違った。

乙は甲が知っている女性の中で唯一、傘を持たない女性
だった。

上質でお洒落な身だしなみをしているにもかかわらず、
まったく気にしないところがまた男前でいい。

上下ともに純白のスーツ姿がよく似合う女性だった。

乙とはよく雨の中を2人で傘をささずに歩いたものだ。

傘をささずに歩くといいことが2つあった。

普段から歩くのが速くなり動作が機敏になることと、
雨宿りのためにお洒落な店を見つける力がつくこと。

頭の回転が速くなるのだ。

・・・しかし不思議なことが1つだけあった。

なぜか同じように歩いて同じだけ雨を浴びているのに、
いつも雨宿りのカフェに入って落ち着いてお互いの顔
を見ると驚くのは乙だけあまり濡れていないということ
だった。

もちろん甲はバカ正直にそのままグショグショだった。

土砂降りの雨の中を傘をささずに堂々と歩くのはカッコ
いい。

でも土砂降りの雨の中を傘をささずに歩いてきたのに、
ほとんど濡れていないのは更にカッコいい。

身長172cmの乙は女優志願だった。

コイツなら本当に女優になれるかもしれない、甲は思った。

24歳だった。


...次代創造館、千田琢哉

★2010年4月刊『20代で伸びる人、沈む人』
★2009年9月刊『こんなコンサルタントが会社をダメにする!』
★2009年8月刊『尊敬される保険代理店』
★2009年8月刊『存続社長と潰す社長』
★2009年6月刊『継続的に売れるセールスパーソンの行動特性88』
★2008年9月刊『社長!この直言が聴けますか?』
★2008年6月刊『THE・サバイバル 勝つ保険代理店は、ここが違う』
★2007年10月刊『あなたから保険に入りたいとお客様が殺到する保険代理店』

投稿者 senda : 2010年05月19日 00:00

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