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2010年03月17日

地上256m

大阪南港にWTCタワーがある。

大阪府庁移転案が出たあのビルだ。

地上256mの展望台は有名だ。

大阪市内が360度ぐるりと一望できる。

甲は高いところが大好きで何度も訪れているが、
未だかつてこの場所が混んでいたことがない。

それがまたお気に入りだった。

乙と大人のかくれんぼができるからだ。

子どもの頃「泥棒と警察」という「ドロケイ」という遊び
が流行った。

泥棒は隠れながら逃げる。

警察は捜しながら追いかける。

なぜか無性に興奮した。

もちろん泥棒の方が遥かに楽しい。

追いかけるより追いかけられる方が楽しいのは
何も泥棒と警察だけではない。

地上256mでのかくれんぼはスリリングで爽快
だった。

展望台の真ん中にある喫茶も迷路のようにあちこち
から入口がある。

カップルが2人きりになれるように迷路のようなスペ
ースが工夫されて設置されている。

もちろん、はしゃいで走り回るわけではない。

一度甲はお腹の調子が悪くて隠れるふりをして、
トイレに入っていたことがあった。

10分くらい経っただろうか。

恐る恐る外に出ると乙の姿が見当たらなかった。

竹内結子似の乙はいつも警察役をやってくれた
ものの、探すのが凄くへたくそで本当に困った顔
をしてオロオロ彷徨っていた。

天性の方向音痴で探している自分が迷子になる
始末だった。

甲は見るに見かねていつも乙を背後から脅かし
て終わりを迎えるのだった。

ところが、いくら探しても見つからないのだ。

「あれ!?」

ドキドキした。

「怒って帰ったのかな」

泥棒と警察の立場すっかり逆転してしまった。

地上256mで迷子になってはかなわない。

すっかり甲は心細くなってきた。

突然、後ろから目隠しされた。

「つっかまえた~」

驚きのあまり甲は声が出なかった。

細長い指からは冷たい石鹸の匂いがした。

実は、乙もトイレにいたのだった。

ランチに隣のホテルで鉄板焼を食べたのが2人が
お腹を壊した理由だった。

この日に限らず、いつも焼肉の後には2人でお腹を
壊す。

それも込みで焼肉が好きなのだ。

甲が仙台にいた頃、生牡蠣にあたってまる1日中
トイレに入り浸ったことがある。

それでも懲りることはない。

そのリスクも込みで生牡蠣なのだ。

それが本当に好きだということだ。

乙はまるで焼肉と生牡蠣のような女性だった。

2人ともすっかり体を軽くして55Fからエスカレーターで
降りた。

地上256mの御手洗いは実に快感なものだ。


...次代創造館、千田琢哉

★2009年9月刊『こんなコンサルタントが会社をダメにする!』
★2009年8月刊『尊敬される保険代理店』
★2009年8月刊『存続社長と潰す社長』
★2009年6月刊『継続的に売れるセールスパーソンの行動特性88』
★2008年9月刊『社長!この直言が聴けますか?』
★2008年6月刊『THE・サバイバル 勝つ保険代理店は、ここが違う』
★2007年10月刊『あなたから保険に入りたいとお客様が殺到する保険代理店』

投稿者 senda : 2010年03月17日 00:00

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