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2009年12月02日

クジラみたい!

「わぁ~、クジラみたい!」

真夏のある晩、外回りから帰ってきたスーツ姿の
甲の背中を払いながら乙は言った。

乙の真っ白でしなやかな手が自分の汗の残骸を
平気で触れるのは嬉しいが、恥ずかしかった。

真夏の日に一日中外回りをすると汗が乾いてその
上に汗をかき、幾重にも白地図が描かれる。

営業マンならだれもが一度は経験する。

酷いときには靴まで白地図が滲んでくる。

乙の「クジラみたい」は非常に上品な声だ。

乙は母子家庭で育ち、父親は幼少の頃に亡くなっ
たらしい。

誰もが知る大企業の重役だった。

乙の立ち居振る舞いのよさは育ちによるものなの
は明白であった。

単に上品というのではない。

やさしさが溢れていた。

愛情深かった。

甲より入社は5年先輩だった。

乙は短大を出てコネ入社だったから、実際には
甲より3歳年上だ。

乙は高校時代に恩師と内緒で付き合っていたと
いうから大胆なのだ。

「そんなこと言っていいの?」

甲は乙に言った。

乙は平然と答えた。

「いいのよ。人を選んでるしもう時効だから」

美人で愛情深いだけではない。

度胸も座ってた。

きっと男に生まれてきてもモテたに違いない。

甲はこの乙から社会人のスタートをイロイロ学んだ。


...次代創造館、千田琢哉

★2009年9月刊『こんなコンサルタントが会社をダメにする!』
★2009年8月刊『尊敬される保険代理店』
★2009年8月刊『存続社長と潰す社長』
★2009年6月刊『継続的に売れるセールスパーソンの行動特性88』
★2008年9月刊『社長!この直言が聴けますか?』
★2008年6月刊『THE・サバイバル 勝つ保険代理店は、ここが違う』
★2007年10月刊『あなたから保険に入りたいとお客様が殺到する保険代理店』

投稿者 senda : 2009年12月02日 03:12

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