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2009年11月25日

1日を2回生きる。

金融業界は朝が早い。

8時までにはすでに全社員集まってミーティング
をしている。

甲はいつも朝5時台の始発の電車に乗っていた。

睡眠時間は毎日2時間半。

JR立花駅という鈍行列車しか停まらない兵庫県
尼崎市に会社の独身寮があった。

そこから大阪駅に出て地下鉄御堂筋線で心斎橋
まで行き、そこから歩いて5分でオフィスに着いた。

1Fと2Fには高級ブティックが入っていた。

まだ昔の心斎橋のご威光が残る一等地だった。

始発に乗ると、6時くらいに心斎橋に到着する。

8時までには2時間余裕があった。

その2時間が乙との毎日デートの時間だった。

平日はいつも終電にかけ込む日々であり、休日の
うち土曜日は夕方頃まで爆睡。

日曜日は資格試験の勉強。

新入社員の1年間はまさに怒涛の如く過ぎていっ
たものだ。

しかしあの頃があったから今があると断言できる。

乙との毎日の早朝2時間デートは生き甲斐だった。

朝6時の心斎橋の毎日を知っている人は少ない。

8時半を回るとあれだけの雑踏になるが、6時から
8時まではそれこそ人っ子ひとりいない、自動車も
ほとんど走っていない、綺麗な街だ。

特に四ツ橋まで散歩して時の堀江界隈のあの静
けさが好きだった。

夜のミナミより朝のミナミが本当のミナミなのだ。

朝6時から空いている秘密の隠れ家的なカフェを
知っている人など誰もいない。

甲はいつも杜仲茶。
※杜仲茶は甲が店に無理を言ってつくった幻のメニュー
 だった。学生時代から愛飲していた。

乙はいつもアールグレイ。

1年中2人ともホットだった。

もちろん真夏も。

・・・・・・・・・・・・

その後あの店を訪ねたけれど、もうなくなっていた。

甲と乙2人のためにギリギリで店を開けてくれてい
たのかもしれない。

責任を感じてしまう。

乙には朝の2時間は夜の6時間に匹敵するという
ことを教えてもらった。

あの頃甲は毎日2回の人生を生きていたのだ。


...次代創造館、千田琢哉

★2009年9月刊『こんなコンサルタントが会社をダメにする!』
★2009年8月刊『尊敬される保険代理店』
★2009年8月刊『存続社長と潰す社長』
★2009年6月刊『継続的に売れるセールスパーソンの行動特性88』
★2008年9月刊『社長!この直言が聴けますか?』
★2008年6月刊『THE・サバイバル 勝つ保険代理店は、ここが違う』
★2007年10月刊『あなたから保険に入りたいとお客様が殺到する保険代理店』

投稿者 senda : 2009年11月25日 00:47

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