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2009年10月07日

あなたが二人いたらいいのに

乙は囁いた。

なんばパークスのステップガーデンでは様々なアトラクション
が繰り拡げられていた。

その喧噪の中、甲は乙の声がよく聞き取れなかった。

「え?今、何て言った?」

間抜けな顔を乙に向ける。

「何でもない」

乙は明るい笑顔で答える。

甲は乙の瞳がいつになくきらきらと輝いているのが印象的
だった。

甲は乙がいつになく機嫌がいいな、と感じた。

女性はすべて天の邪鬼なのよ。

8つ年下のキャビンアテンダントからピロートークで教わった
ことが甲の頭をふと過ぎった。

嬉しいときには不機嫌に見せる余裕があり、逆に不機嫌な
ときには気味の悪いほどやさしくなれる。

女性が無口になったらそれは何かが起こっている証拠だ。

それが女性だ。

男には二通りしかいない。

「あなたが二人いたらいいのに」

と言われたことのある男と言われたことのない男。

浮気は男の甲斐性だと誰かが言った。

しかし、浮気したことのない男というのは意外にも多いから
世の奥さん方は安心していい。

正確な統計があるわけではないが、たぶん風俗などを除け
ば過半数の男が浮気などしたことがないだろう。

乙は崇拝していたある四柱推命の巨匠が断言していたひと
言を思い出した。

愛人のいない人で成功した人はいない。

浮気をしたことのない男は誠実なのでも妻一筋なわけでもない。

単にモテないだけだ、と。

相手の女性にしても妻子ある上に魅力のない男に関わっている
時間などない。

人間ではなく他の動物であれば、ひょっとしたらその男は子孫が
残せなかったかもしれない。

当たり前だが、モテない男は浮気の心配もない。

モテない男の勘違いの一つに

「俺は浮気したことがない」

という自慢がある。

浮気しないこと自体はプラスでもマイナスでもない。

女性にとって世の中には死ぬほどキスしたい男と死んでも
キスしたくない男しかいないのだ。

乙も他の男からは誰もが一度は抱いてみたいと夢見られてい
た女性だった。

「乙が二人いたらいいのに」

乙を知る男たちはそう叶わぬ夢を見ながら街中で似た髪形の
似た服装の女性を見かけると目で追うのだった。

日付が変わり施錠しなければならない、パークスの警備員が
遠慮がちに甲と乙に懐中電灯を向けた。

警備員は振り返った乙の美貌に一瞬怯んだ。

同時に

「何でこんな美人が・・・隣の男はいったい何者だ?」

と顔に書いてあった。


...次代創造館、千田琢哉

★2009年9月刊『こんなコンサルタントが会社をダメにする!』
★2009年8月刊『尊敬される保険代理店』
★2009年8月刊『存続社長と潰す社長』
★2009年6月刊『継続的に売れるセールスパーソンの行動特性88』
★2008年9月刊『社長!この直言が聴けますか?』
★2008年6月刊『THE・サバイバル 勝つ保険代理店は、ここが違う』
★2007年10月刊『あなたから保険に入りたいとお客様が殺到する保険代理店』

投稿者 senda : 2009年10月07日 00:30

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