« 2010年02月 | メイン | 2010年04月 »

2010年03月29日

カルティエのボールペン

僕は今、2007年10月に1冊目の本を出してから
ずっと使い続けているボールペンがある。

ディアボロ ドゥ カルティエ ボールペン

何度聴いても忘れてしまうが、そういう名前らしい。

たぶん、このまま一生憶えられないだろう。

外車の名前やブランド品の名前を憶える記憶力は
僕には用意されていないらしい。

無関心なことにはまったく頭が働かないという困っ
た人間だ。

処女作の出版祝いにプレゼントされたのだ。

何やら仰々しい箱と袋に入っていたので高いんだ
ろうな、と思って

「うわ~っ高そう!1万円くらいするの?」

と思わず口にしてたいへんな顰蹙を買ってしまった。

それまで僕は会社で与えられた1本80円のボール
ペンをこよなく愛していたのだから。

最初はやっぱり80円のボールペンのほうが使いや
すかった。

慣れるのに6ヶ月かかった。

でも2年過ぎた今ではこのボールペン以外は使う気
になれない。

というかもうこれ以外は使えないのだ。

すごく失礼だが、郵便局や銀行で書類を書く際に手
渡してくれるボールペンにはいっさい触れずに、この
ボールペンをわざわざ取り出して記入する。

別に厭味でやっているわけではない。

本当に一度慣れたらこれ以外はもう嫌だ、と生理的
に思ってしまうトイレのウォッシュレットに似ている。

その後世界最強といわれるコンサルティング会社の
幹部が書いたある本を読んで驚いた。

「コンサルタントで安物のボールペンを持っている
ヤツはその時点ですでに終わっている」

80円のボールペンを長年使い続けていた僕はドッ
と冷や汗をかいたものだ。

筆者の主張はブランド志向というわけではない。

さすがに理にかなっていた。

コンサルティングという知的で高価な商品を扱っ
ているのに、その契約を結ぶ際に相手に差し出
すことになるかもしれない唯一の小物が安物だ
ということは相手を舐めていることになる

というのだ。

思わず唸ってしまった。

反論の余地なし、だった。

その後肌身離さず持っているし、今ではこれがなけ
ればよいアイデアが出ないくらいの相棒になった。

肌身離さず持っているために、アイデアを書き漏ら
すこともない。

寝るときも枕元に置いて寝るから、夜中の3時に夢
の中で浮かんだアイデアも掌に書くことができる。

高価な傘を買ったものの、それをなくしてしまったら
どうしよう、という心配と同様にこのボールペンをな
くしたらどうしようという緊張感もたまらない。

自分からは絶対に買わないような代物だったが、出
逢って本当に良かった。

一生モノの僕の分身である。

ありがとう。

本当に、ありがとう。


...次代創造館、千田琢哉

★2009年9月刊『こんなコンサルタントが会社をダメにする!』
★2009年8月刊『尊敬される保険代理店』
★2009年8月刊『存続社長と潰す社長』
★2009年6月刊『継続的に売れるセールスパーソンの行動特性88』
★2008年9月刊『社長!この直言が聴けますか?』
★2008年6月刊『THE・サバイバル 勝つ保険代理店は、ここが違う』
★2007年10月刊『あなたから保険に入りたいとお客様が殺到する保険代理店』

投稿者 senda : 00:00 | コメント (0)

2010年03月22日

生涯の師匠Sさん

2次面接に真っ赤な顔で個室に現れて
アルコールの匂いをプンプンさせていた
豪傑面接官がいた。

それが僕の生涯の師匠、Sさんとの出逢い
だった。

僕は2つの理由で驚いたものだ。

1つはこんな人がよくサラリーマンをやって
いられるな、という驚き。

それまで勤めていた保険会社の基準では
ありえなかったからだ。

もう1つはこんな人が組織のリーダーとして
やっていられる会社はかなりの度量がある
に違いない、という驚き。

実際に酔っぱらってはいたものの、頭はフル
回転。

ゆったりとした口調にもかかわらず、猛烈な
スピードで核心に迫ってあっという間に面接
は終了してしまった。

何というか、この会社が凄いとかコンサルティング
という業界が凄いのではなく、目の前のこの人が
異様に凄いんだ、と時間が経てば経つほどに
わかってきた。

保険会社時代の同じ年齢層のビジネスパーソン
と比較して明らかに次元が違ったのだ。

サラリーマン社会において形式上の上司は
たくさんいる。

でも師匠と呼べる人はなかなかいない。

Sさんがいなければ僕は転職できなかった。

まだまだひよっこで世間知らずの僕は当然
自分ほどの逸材はトップ内定だろうと信じて
疑わなかったが、実は面接で2度落とされて
いたらしい。

今思えば、確かに内定の報告が遅かった。

毎年何百人と幹部面接まで上がってくるが、
いったん不採用にしてからどうしても気持ち
悪くて寝つけなくなって補欠採用する人材が
いるらしい。

そうして睡眠の邪魔をして補欠採用した人材
は将来花開くことが多いのだそうだ。

これは僕が当時最短コースで昇進した際に、
Sさんも一緒に昇進して、会社の側の飲み屋
で2人で飲んだ際に打ち明けられた衝撃の
事実だった。

もちろん、うれしかった。

偉人伝をむさぼるように読んで学んだことは、
10000人の凡人に何となく好かれるのでは
なく、たった1人の天才に惚れられることが
偉業を成し遂げた人たちの唯一の共通点だっ
たからだ。

Sさんが拾ってくれたようなものだ。

実際にSさんの元には長続きするかどうかは
別として社内でも際立つような優秀な人材が
集まった。

Sさんは有能かつ勤勉なタイプではない。

とてつもなく有能だが勤勉ではない。

でもその欠けている部分が人間臭くていい。

欠けている部分はたくさんあった。

しかし会って話をすると許せてしまうのだ。

僕にとってサラリーマン人生最後にラッキー
だったことが2つあった。

1つはSさんと出逢えたこと。

そしてそのSさんは流通業のコンサルティング
においては世界的に有名になった創業者に唯一、
素質において認められた天才だったこと。

人生において自分がその年齢になっても
この人にはかなわない、と思える人に出逢える
ことは大切なことだ。

Sさんは僕よりちょうど10歳上だ。

3月10日が誕生日。

正直、もう一度生まれ変わったとしてこんなに
ラッキーに遭遇できる自信がない。

追伸.僕は長電話最高記録14時間を保有している。
女性とではなく、Sさんとの記録である。


...次代創造館、千田琢哉

★2009年9月刊『こんなコンサルタントが会社をダメにする!』
★2009年8月刊『尊敬される保険代理店』
★2009年8月刊『存続社長と潰す社長』
★2009年6月刊『継続的に売れるセールスパーソンの行動特性88』
★2008年9月刊『社長!この直言が聴けますか?』
★2008年6月刊『THE・サバイバル 勝つ保険代理店は、ここが違う』
★2007年10月刊『あなたから保険に入りたいとお客様が殺到する保険代理店』

投稿者 senda : 00:00 | コメント (0)

2010年03月15日

祖父

祖父は大正11年生まれだった。

2007年の年末に亡くなった。

あの時代に珠算1級を持っていて、ついに最
後まで暗算で勝てることがなかった。

レベルが違い過ぎて悔しいとも思わなかった。

今から振り返って気づかされるのは、かなりの
自由人だったということだ。

僕と決定的に違うのは超ヘビースモーカーで
大酒飲みだったということだ。

社会人になってかなりの時間が経つまでその
祖父の価値がわからなかった。

祖父は毎日朝夕と近所の行きつけの喫茶店に
通うのが日課だった。

どんなに雨が降ろうとも雪が降ろうとも必ずで
あった。

しかもなぜか何年かおきにお気に入りの喫茶
店が変わっていた。

休みになると僕と妹を連れて喫茶店に行くこと
が生き甲斐のようだった。

家にいればタダでコーヒーなんて飲めるのに、
いったい何がそんなに楽しいのか理解できな
かった。

小学校の高学年にもなると、祖父と一緒に喫
茶店に行くのが恥ずかしいと感じた。

毎日2回の喫茶店以外にも祖父にはもう1つ日
課があった。

朝から晩までずっと団地の入口に立って道を通
る人通る人すべてにお辞儀をしている。

僕の実家はちょうど団地の入口にあったからだ。

現役の頃はトップセールスとしての成果が認め
られて会社の役員まで務めただけあって、根っ
からの商売人だった。

僕にはこれがたまらなく嫌だった。

「まるで頭を下げ続けるボケ老人みたいだ」

カッコ悪いな、と軽蔑していた。

「おじいちゃんなんか、早くいなくなってしま
えばいいのに」

とさえ思った。

亡くなる3ヶ月前にたった1つの質問をするた
めだけに岐阜の実家に帰ったことがある。

「どうして毎日団地の入口に立ち続けて頭
を下げまくっていたの?」

祖父は驚いた顔をした後、目をキラキラ輝かせ
ながら一生懸命に教えてくれた。

気づいたら僕は今、毎日スタバに通っている。

たぶん同世代の中で上位0.1%に入る位に、
自由人だと思う。

自分のDNAの声を聴いておけたのはよかった
と思う。

人は2度、死ぬという。

1度目は肉体が滅んだ時。

2度目はこの世界でその人間のことを知る人が
誰もいなくなった時。

つまり人類すべての記憶からその人の存在が
消え去った時が本当の死だ。

僕は自分の頭の中に祖父の記憶を反芻して、
何度も会話していきたいと思っている。


...次代創造館、千田琢哉

★2009年9月刊『こんなコンサルタントが会社をダメにする!』
★2009年8月刊『尊敬される保険代理店』
★2009年8月刊『存続社長と潰す社長』
★2009年6月刊『継続的に売れるセールスパーソンの行動特性88』
★2008年9月刊『社長!この直言が聴けますか?』
★2008年6月刊『THE・サバイバル 勝つ保険代理店は、ここが違う』
★2007年10月刊『あなたから保険に入りたいとお客様が殺到する保険代理店』

投稿者 senda : 00:00 | コメント (0)

2010年03月08日

『ナポレオン・ヒルの巨富を築く13の条件』

僕がこの本に出逢ったのは大学生の頃だ。

まだ本を読み始めて100冊に達するか否かの時期
だったように思う。

『ナポレオン・ヒルの巨富を築く13の条件』

550ページからなるこの本は間にふんだんな漫画
を盛り込んで実に完成された本となっている。

驚くほど読みやすい。

手もとにあるのは初版1991年のものだが、5年で
40回の増刷を繰り返し、その後度重なる改定版が
世に出されているから、ロング&ベストセラーぶりが
わかるといっていい。

種明かしをしてしまうと、ここ10年で出版されたユダ
ヤ人関係のサクセスストーリー物のベースはこの話
にあると感じる。

ついでにこの本と出逢ったほぼ同時期に親友から
プレゼントしてもらった本に

『成功の掟』

がある。

この本も世界のメガヒット名著だがやはりほぼ同じ
内容の焼き直し本が繰り返し出されている。

恐らくこの10年ほどで成功者として神輿に担がれ
ているカリスマコンサルタントたちはどうか種明かし
をしないでくれ、と心の中で叫ぶことだろう。

僕は日本でオリジナルというのはほとんどないの
だな、と落胆させられるのではない。

そんな小さなことはどうでもいいのだ。

感動するのは本物は世界を股にかけて流布してい
くという迫力と誠実さに関してである。

本物のオリジナルのおかげでその真似をした
二番煎じ三番煎じの人たちまでもが富むという
のが本物の本物たる所以なのだ。

僕は幸運なことに若くしてこの2冊の本に出逢った
ため、結構客観的に世の中を見ることができたよう
に思う。

本当にラッキーだったと思う。

すでに自己啓発書はどんな本でも10分で内容を
掴んでしまうようになったが、それは速読技術が
向上したわけではない。

この2冊を表紙がちぎれてボロボロになる位まで
徹底的に読みこんだおかげですべての自己啓発
書に対する知的免疫力が備わったという感じだ。

理科系出身者なら一度は手にしたことのある物理
の地味で野暮ったい参考書

『難問題の系統とその解き方 物理』

をヘロヘロになって1冊読み終えた後、実際の入
試問題が赤子の手をひねるかのように容易に思
えるようなものだ。

本物は見かけはとっつきにくかったり華やかさは
ないことも多いが、いざ触れてみると人生を大きく
変えることが多いのだ。


...次代創造館、千田琢哉

★2009年9月刊『こんなコンサルタントが会社をダメにする!』
★2009年8月刊『尊敬される保険代理店』
★2009年8月刊『存続社長と潰す社長』
★2009年6月刊『継続的に売れるセールスパーソンの行動特性88』
★2008年9月刊『社長!この直言が聴けますか?』
★2008年6月刊『THE・サバイバル 勝つ保険代理店は、ここが違う』
★2007年10月刊『あなたから保険に入りたいとお客様が殺到する保険代理店』

投稿者 senda : 00:00 | コメント (0)

2010年03月01日

3つの視点からのセミナー

僕は今までセミナーに関して3通りの役割を経験
させてもらった。

1.参加者

2.企画者

3.講師

どれもお金が発生する仕事として3桁以上こなし
てきている。

どれか1つではなく、まったく景色の違う3つの立
場をこなさなければ見えてこないことがたくさんあ
った。

1の参加者の立場だけに偏り過ぎるとどうしても
受け身になってしまう。

セミナーおたくのような人も実際にはいるが、いつ
までもここにいては大きな成功は望めない。

セミナーに参加することは有効な手段ではあって
も、決してそれ自体が目的ではない。

講師から生のサプライズをもらい、自ら人生変革す
るためのきっかけづくりがセミナーに参加する意義
なのだ。

2の企画者は出版社の編集長と似ている。

目利きや参加者を感動させることが仕事だからプ
ロとして厳しい目になるのは当然だが、逆に講師
に対する敬意を忘れて傲慢な評論家と化してしま
うことが多い。

次第に講師を一商品として扱うようになってくる。

企画者がそれを否定しても講師にそう伝わったら、
講師に伝わったことだけが事実なのだ。

実際に企画者が傲慢な評論家に落ちぶれてしま
うと、講演どころか司会すらまともにできない人が
ほとんどである。

怖いな、とゾッとする。

3の講師は見ず知らずの人からボロクソに批評さ
れるという醍醐味もあるが一方で「先生病」になる
危険がある。

主催者や参加者はどんなに年下でも講師のことを、

「先生、先生」

と呼ぶことが多い。

お金をもらう立場の人間が「先生」と呼ばれる職業
の代表に医師と弁護士がある。

学校の先生も一応そのまま「先生」と呼ばれるが、
その意味が少し違う。

しかしセミナー参加者の中には講師よりも遥かに
その道で成功している人もいるし、経験豊富な人
もいることを忘れてはならないだろう。

実際に自腹でセミナーに参加したり、企画者側を
経験すればわかることがある。

社会人は教える側よりも教わる側のほうが実は
社会的地位が上の人が多いということだ。

学生時代とまさに逆になるのだ。


...次代創造館、千田琢哉

★2009年9月刊『こんなコンサルタントが会社をダメにする!』
★2009年8月刊『尊敬される保険代理店』
★2009年8月刊『存続社長と潰す社長』
★2009年6月刊『継続的に売れるセールスパーソンの行動特性88』
★2008年9月刊『社長!この直言が聴けますか?』
★2008年6月刊『THE・サバイバル 勝つ保険代理店は、ここが違う』
★2007年10月刊『あなたから保険に入りたいとお客様が殺到する保険代理店』

投稿者 senda : 00:00 | コメント (0)