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2009年10月26日

小学校3年生担任のS先生

S先生は女性だ。

大学を卒業したばかりの1年目の若くて綺麗な先生
だった。

念願の教師への第一歩を踏み出したS先生は希望に
満ち溢れていた。

ところがS先生にはクラス全員で本当に迷惑ばかりをかけた。

結局僕たちのクラスの担任になった翌年に辞めた。

毎日泣き崩れていた。

憧れて教師になったのに何一つできなかった、
机上の空論とは全く違った・・・
と地獄の日々だったに違いない。

授業も本来の半分も進まなかったという体たらくぶり。

小学校3年生にもかかわらずワルの吹き溜まりで
学級崩壊していた。

小学生版スクール・ウォーズだった。

記憶では日々の半分近くの授業は別の先生がきていた。

校長先生や教頭先生まで授業を担当する始末だった。

恐らくS先生は家で毎日涙して寝込んでいたのだろう。

しかし、いつも後からわかるのだが、この先生のクラス
だったときに僕には不思議なことがいくつも起こった。

僕はS先生が来年は辞めるのだろうな、ということは
子ども心に何となくわかっていた。

なぜだかわからないが、S先生はそんな大変な中でも
たまたま忘れ物を取りに戻った教室で僕と二人きりに
なったとき、今まで見たこともないような真剣な眼差しで
こう言ってくれた。

「千田君はこういうところがすごいから将来その道で生
きるといいよ」

僕はその日のことを一生忘れない。

実際にこの日を境にして僕の成績や運動神経その他
すべてが嘘のように急上昇した。

まるで魔法でもかけられたかのようだった。

翌年、S先生は辞めた。

「私は3年○組の担任を辞めるのではなく、教師である
ことを辞めます。完全に私の無力でした。みなさん、
申し訳ございません」

と言って深々とお辞儀をした。

なぜだろう。

僕にはS先生がちょうど1年前の今頃、晴れて教師に
なった時に希望に満ちて挨拶をしていた笑顔よりも辞
めた時の笑顔のほうが凛々しく、そして幸せに見えた。

確実にこれからS先生は幸せになるのだろうと思わせ
るものがあった。

その時のS先生の顔は、教室で二人きりになったとき
のあの真剣な眼差しだった。

女性生徒の中には泣きじゃくっていた子もいた。

S先生からは、
教育というものの厳しさとたいせつさを教えてもらった。


...次代創造館、千田琢哉

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投稿者 senda : 2009年10月26日 00:30

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